榊原どのの古屋敷に、夜な夜な猫またあまた出ておどりけるが、
のちのちは人をなやましけるにつき、榊ばらどの家臣稲葉六郎大夫、
鉄砲にて向ひけるに、彼猫また、ちつともおどろかず、胴ばらをたたいて、
ここをうてと云ければ、稲葉、心にくくおもひ、五十目玉を打けるに、
猫またの腹より玉返りして、中々打事あたはざりけるとぞ。

おれがはらのかわをためして見おれ。にゃんにゃん。








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