猫奇伝
    魔性の動物…「猫」の秘密
  
     
   可愛いだけが
  猫じゃニャィ!















遊戯唄・・・縄跳び唄


山口
大波小波、
くるっとまわって猫の目。


山口
大波小波、
ぐるっとまわってにやぁこの目。


京都 広島
大波小波、
ぐるっとまわって猫の目。


静岡
一羽のからすがかあかあ、
二羽のにわとり、こけこっこう、
三匹のさかなが泳いでいる、
四匹の小猫がにゃあにゃあ、
それおまどりさん、
一月、二月、三月、四月、五月、六月、
七月、八月、九月、十月、十一月、十二月。


埼玉 群馬
大波小波、
ぐるりとまわして、猫の目。


栃木
大波小波、
まわさないで、まわさないで、 猫の目。


埼玉
月火水木金土、げっくり、かっくり、
水曜日、 もっくり、きんとき、どっこいしょ、
日曜日、山の風そよ吹けば、桜の峰越えて、
ぴいひょろぴいひょろ、さんだわす、
猫追われて、巻煙草、
そうら入れ、そうら出ろ。




遊戯唄・・・雑謡   子取り


茨城
猫買い仔買い、
仔買ってなんする、
お砂糖に饅頭、
それも良かろが銭なんぼ持って来た、
一銭五厘、 それでは足りない、
家へ行って持って来る、
叔母さん、叔母さん、負けてやる、
にゃあお、にゃあ、にゃあお、にゃあお。


茨城
猫ちょうだい、
売られません、 さようなら、
ちょいと姐さん忘れ物、
何を、 猫を、
どの仔がよかろ、この仔がよかろ、
私叩いてなきません、
にゃあおう、 この仔を頂戴、 猫頂戴、
売られません、
じょうやん、じょうやん、
学校へ行んべ、
もうとっくに学校に行きましたよ。


茨城
猫頂戴、猫頂戴、 いくらかな、
三升かな、 売れません、
ちょっと姐さん忘れ物、 なあに、
猫鳴きません、跳びません、
どの猫買いますか。


栃木
こんにちは、猫おくれ、
なんにする、 大事に育てて嫁にする、
朝なにくれる、 あんころ餅くれよ、
虫気の毒だ、 ご飯進じょ、 なにそえてくれる、
鰹節くれよ、 なに入れてくれる、
土鍋でくれよ、 土気がたかる、
釜の飯(まま)くれよ、 金気がたかる、
どうしてくれる、 やしなって進じょ、
どんな箸でやしなう、 お米のご飯を茶碗に入れて、
鰹節そろえて南天箸でさくさく。




遊戯唄・・・尻取り唄


兵庫
ちんわん、ねこにゃん、ちゅう、
金魚にはなし紙、 牛もうもう、 狛狗に鈴が鳴る、
金魚が三つで、みひょこひょこ、
はと、くうくう。




遊戯唄・・・雑謡  早口唄



埼玉
道は六百八十里、長門の浦を船出して、
鼠にちんぽをかじられて、
猫のおかげで助かった、
小母さんその子をどうするの、
大きくなったら学校へ、
学校の子供は生意気だ、
君だ僕だ白墨だ、 白墨粉にして粉薬、
馬(うんま)の小便水薬、
鼻糞丸めてせいしん丹、
それを呑む奴ぁあんぽん丹。


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北原白秋(1975)『日本伝承童謡集成〈第三巻〉遊戯唄編(上)』三省堂
北原白秋(1975)『日本伝承童謡集成〈第四巻〉遊戯唄編(中)』三省堂